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数学科・応用数学科の大学院生活について

数学科・応用数学科の大学院生活について

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疑問持つ人
数学科だけど、大学院に進学しようか迷い中。大学院生活ってどんな感じなんだろう?

こんなことをお考えの数学科・応用数学科の学生の方向けに本記事を書きました。

本記事の内容

・数学科と応用数学科の進学割合
・大学院への進学方法
・数学系の大学院生活の実態
・数学系大学院生の一日の過ごし方
・他の分野の研究室と比べて

本記事の信頼性

Taka
現在リース業界にて内勤スタッフとして日々勤務しています。学生時代は大学院に進学し、交通流モデルに用いられるセル・オートマトンについて研究していました。本記事では、大学院進学をお考えの方向けに生活スタイルについての実体験を公開します!

数学科・応用数学科の大学院進学割合はまちまち

東京大学

東京大学の場合は、数学科の方で大学院に行く割合は69%となかなか高水準であることが分かります。

さすが天下の東京大学だという感じがします。

早稲田大学

早稲田大学の場合は、数学科と応用数理学科がいわゆる数学系等の学部と言えます。

数学科の場合は以下の通り。

応用数学科の場合は以下の通り。

応用数学科の学生の方が大学院へ進学する割合が高いですね。

早稲田大学の場合、おおむね50%強ということがわかりました。

大学院への進学方法

学部時代の研究室を継続

学部時代の研究室を引き継ぐ場合は、大学4年生の前期のタイミングで面談を教授に囲まれながら行います。

形式面談で成績がよっぽど悪くなければ大学院へそのまま進学できるのでご安心を。

私が教授たちに受けた質問はたった2つ。1つ目は「親は大学院へ進学することをどう思っているのか?」2つ目は「毎日研究活動はどれくらい行っているのか?」だけです。5分たらずで終わったのが印象的でした。

修士課程から異なる大学院へ進学

他大学院へ進学を希望する場合、大学院入学試験を受験することになります。

これは大学4年時の前期中に行われ、ペーパー試験の成績によって合否判定が出るのでプレッシャーとの戦い。

試験内容は、数学の基礎的な知識を問うものが多い印象で、学部時代に習った基礎科目は網羅しておく必要があります。

数学科と応用数学科はどんなところが違うのか?

大学によって、学部・学科への名称にばらつきがありますのでここで以下のようにまとめてみます。

・数学科=純粋数学や経済、金融工学を扱う
・応用数理学科=交通モデル、波動モデル、確率、統計等、数学を用いてシュミレーションを扱う

私は応用数学の分野に携わっていましたが、周りの友人は

  • 交通渋滞のモデル
  • 飛行機の離着陸モデル
  • 待ち行列モデル
  • 波動の伝搬のシミュレーション
  • プログラミングを用いた数値解析

を研究テーマとして扱っていました。

私の偏見ですが、数学科は純粋数学を扱うので数学へのセンスがあることがベターです。これに対して応用数学科は、シュミレーションを行い現実世界の問題を解決したりするので、センスよりかは数学を用いて実験したいという方が向ているのかなという印象です。

数学・応用数学系の大学院生活について

授業を複数コマ受ける

学部と大学院が同じ場合、学部時代に大学院の授業を先取りできるので大学院の授業コマ数が楽になります。

また、授業内容は、学部の授業がさらに難しくなった印象です。

さらに言うと、大学院の授業は基本的に試験がありません。

その代わり、各授業課題レポートを提出して単位が貰えるという形になります。

学部時代の成績より、大学院時代の成績の方が良いケースが多いです。皆がある程度真面目に勉強している分成績が良くなる傾向にあります。

研究活動

本の輪読

ほとんどの研究室は、週1か2程の頻度で本の輪読を行います。

これは、文系で言うゼミみたいなものですね。

基本的には、教授が指定した教科書や参考書に関して、学生が事前に勉強しわかりやすく発表していくもの。

これを1コマ90分で進められるだけ進めて、皆の理解を深めていこうという形で実施されます。

実際に輪読を行ってみると、数学が得意な人でないと結構厳しくて理解しずらいことが分かります笑。

研究の進捗相談

こちらも、毎週1回程度教授と一対一で行います。

研究室によっては、教授の代わりに博士課程の学生と行う場合もありますね。

大学院生の場合、夏休みや春休みで学会発表の機会があるので、それに向けて研究の成果を残したい人は努力します。

発表したい人はすれば良いし、逆にしたくない人はしないでも問題ありません。

私は、大学院一年と二年の間に休学して半年間一人旅するという夢があったので、実はしませんでした。

これに関しては正直心残りで、人生で一度くらい学会にて発表してみたかったという思いもありますが、きちんと研究はできたので満足。

アルバイト

アルバイトは、家庭教師など短時間で効率的に稼げるものをする学生が多いです。

学生によっては、土日でがっつりシフトを組んでアルバイトをするなどそれぞれの好きなようにしている印象。

就職活動

大体、意識が高い学生の場合は大学院1年の夏時点でインターンに申し込んでいる方が多いです。

研究室によっては、学生が就職活動に力を入れて研究活動がおろそかになることを危惧している場合もあります。

その場合は、なかなか就職活動に注力できないことも考えられますので、スキマ時間に効率よく行うしかありません泣

研究室によっては、教授が「研究活動より就職活動を優先してよい」と親切に対応して下さる場合もありますので、事前に教授に確認するのが良いでしょう。

大学院生の就職活動では、研究科によって推薦応募できる場合があります。希望している業界・企業の会社が推薦応募を受け付けていたらせっきょおく的に活用しましょう。実態では、学部生と同様に就職活動をしている大学院生がほとんどだと見受けられます。

その他

たまーになのですが、その日の勉強・研究が終わり、夜に何人か研究室に人がいる場合は鍋とか食べたりします笑

研究室は、大概キッチンや各種料理グッズやお酒が備わっていることが多いので

  • 鍋パーティー
  • たこ焼き
  • 研究室飲み会
  • 大画面スクリーンを用いてのゲーム大会

等など、つかの間の娯楽を楽しむこともあります。

さらに、研究室によってはサークル活動のように研究室飲み会を行うケースもあり、ほどほどに楽しむこともありますね。

一日の過ごし方

忙しくない時期(実体験)

一日の流れ(忙しくない日) 図のテンプレートは「1日24時間スケジュール 円グラフのエクセル テンプレート01」より拝借

生活リズムは問題なく、授業・ゼミ・アルバイトを両立できています。

睡眠時間もきちんととれているので問題なく過ごせるスケジュールですね。

忙しい時期

一日の流れ(忙しい日)図のテンプレートは「1日24時間スケジュール 円グラフのエクセル テンプレート01」より拝借

図を見るとわかるのですが、一日のほとんどを研究に費やしています。

さらに、忙しい日は修士論文発表会の直前であり、このような時期は研究室に寝泊まりする形になります。

他の分野の研究室と比べて

数学科も応用数学科も、研究室にいなくとも研究ができるので、最低限大学に行くだけで問題ありません。

例えば、機械や化学と言った分野では毎日のように研究室に行かないと研究自体ができないということになります。

研究に必要なものはテキスト、文献、プログラミングソフトが入っているパソコン(シミュレーションを行う場合)があれば大丈夫なので場所を問わないで研究できることが特徴です。

数学科も応用数学科も研究室の拘束時間は大学院生となった場合でもそこまで多くないです。一方で、友人を見る限りその他の分野ではコアタイム(この時間からこの時間までは絶対に研究室にいなければいけない時間)が定められていたり、実験を行う影響で研究室に寝泊まりしなければならないという事案もあります。

数学科・応用数学科の大学院生活の良い所

  • 生活面での自由度が大きい
  • 研究を行い成果を出すという一連のプロセスを深く体感できる
  • 大学院時代を過ごしてきた仲間は、「戦友」と言う表現がぴったりで、きずなが深まる。
  • モラトリアムをもう二年過ごせたところ

です。

学部生の時の研究活動は当時修士の先輩にある程度手伝ってもらって完成させたので、私が研究テーマに貢献できた部分は限定的でした。

一方で、修士時代を振り返ると自分で先行研究の読み込みと研究テーマに対しても積極的に関与でき、研究成果を出すまでの一連のプロセスを深く学ぶことができ充実したと言えます。

大学院生活の良くない所

  • 閉鎖的な環境と感じることが多かった
  • 何となくで大学院に進学すると、何も得られるものもなく「修士課程」を資格のような形で得て卒業するだけとなる
  • 就活に力を入れると、大学院生活でできることは結構限られる。

何となく大学院へ進学すると、学生生活が楽しくないといって違和感を感じることが多いです。

そのため、大学院の2年間が「修士課程」という資格取得のためだったという事態になってしまいますね泣

海外では大学院に進学することは大きな意味を持つ場合もありますが、日本では学部卒で就職するケースがメジャーなのです。

また、大学院で就職活動に力を入れる場合、修士1年の夏から本格的にインターンに行くことになりますし、その場合は研究活動に費やせる時間も限られてきますね。

就活・研究・アルバイト・授業を効率よくこなしていかなければなりません。

博士課程への進学割合

各大学にばらつきがあるのですが、早稲田大学の数値を参考にすると15.3%です。

どんな方が博士課程に進学するかと言うと、修士過程で優秀で、教授が目を付けて推薦するケースが主な形。

博士過程は3年間であり、3年間で大きな研究成果を残せないと終了しないケースも多いと聞きます。

レベル感では

学部<<修士<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<博士

と言うのが本音。

博士過程は人生の大きな決断であるし犠牲も多い、そのため覚悟が必要だと思います。

ただ、私は研究に人生を捧げる方は本当に尊敬しますし、かっこいいと素直に思いますね。

修士論文では、卒論よりも一歩先のことが求められます。例えば、卒業論文であれば共同発表が可能であったのですが、修士論文では一人で発表することになります。修士論文までは、教授もある程度研究のサポートをしっかりと行ってくれます。これが、博士過程となるとほぼ自分で成果を残さないといけないことになるので非常に厳しい戦いになります。研究が好きな人でないと困難かもしれません。

まとめ

本記事では、主に

・数学科と応用数学科の進学割合
・大学院への進学方法
・数学系の大学院生活の実態
・数学系大学院生の一日の過ごし方
・他の分野の研究室と比べて

について実体験ベースで書きました。

数学科・応用数学科の学生が大学院に進学を考えている際の参考になれば幸いです。

本記事を最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!

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リース業界で働く会社員。早稲田大学→早稲田大学大学院。学生・社会人に有益な情報を提供します。趣味はキックボクシング、映画鑑賞。海外旅行は通算35ヵ国行ってきました!

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